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 トスカーナの星降る夜


イタリアに住んでいたころ、よく空を見上げました。特に夜空・・・。

トスカーナ州郊外の小さな村と村の間には、ただ丘陵地だけが果てしなく延びていて、
日が落ちると、人家の灯りがひとつもみえない真っ暗闇の大地の頭上に、今にも降ってきそうな満天の星空がひろがっていました。
郊外の小さな村に住む友人の家に遊びに行った帰りの車の中から・・・、
トスカーナをドライブした帰り道・・・、
ヒマワリ畑に囲まれたマレンマのアグリツーリズモの庭から・・・、
夜空を見上げては、
「わあ、すごーい」
と、よく言っていました。

11月の、しし座流星群が見える夜のこと、
流星を見るために、10人ほどの仲間が集まり、みんなでモンテネーロの裏山へ行きました。
車で分乗し、山道を行くこと20分あまり、
180度、見渡すかぎり夜の暗い山に囲まれ、満天の星空が広がっている場所に到着すると、
牧を持ってきて火をつけ、焚き火をしました。
(一緒に行った連中のひとりの家族が所有する土地です。念のため)
焚き火のまわりを丸く囲んで座り、
みんなが家から持ちよったサルシッチャやシチューやポレンタを焚き火で温めて食べました。
ギターを弾きながら、みんなで歌を歌ったり・・・・
青春ドラマのようなことをしながら、夜が更けてゆくのを待ちました。
見上げていた夜空には、大きなオリオン座も輝いていました。

ひとりが
「あ、流れ星」
と上を指差し、叫びました。
「私も見た」
「え、ホント?」

そんなやりとりがやがて、
「私はもう3つみた」
「僕は5つ」

もちろん、私もたくさんの流れ星を見つけました。
・・・流れ星が流れている間に、3回願い事を唱えると叶う・・・という言い伝えがありますが、
広い夜空をスーっと流れて消えてゆく流れ星・・・見つけるのが精一杯で、
願い事を唱える余裕なんてとてもありませんでした。
それでも、流れ星を見たのなんて、いったいどれくらいぶりだったでしょうか・・・・!

この夜以外にも、
帰国1ヶ月前の8月の夏の夜にも、
モンテネーロの丘で、流れ星をいくつか見ました。

1年の間に、こんなにも多くの流れ星を見るだなんて・・・・
やっぱり、人生の中で、特別な時間を過ごしたんだなぁ・・・と、つくづく思います。

空を見上げるって、人にとってとても大切なことだと思います。
空を見上げ、雲をじっと見ている時とか、月を眺めたり、星がきれいとか夕焼けが美しいとか思っている時の人の顔は、その人にとっていちばんいい顔をしているそうです。

1日に最低1度でもいいから、そうやって空を見上げる時間をつくりたいものです。
10年後、20年後にいい顔でいるためにも・・・。(01/02/04)


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